top of page

[特集] 北辰会関東支部冬期講習会に参加!


12月16日(日)、私は東京・大森にある東京衛生学園専門学校を訪問した。私が同校を訪問した目的とは、日本の鍼灸界で最大規模でかつ最も影響力がある団体の一つ、北辰会の冬期講習会(セミナー&実技指導)に参加するためである。13日に清明院で竹下有先生にお会いしたとき、先生は寛大にも当講習会に聴講生としてお招きして下さったのだ。

当講習会の質は最上-というよりも、私の期待以上のものだったといえる。第一部は、北辰会関東支部長である尾崎真哉先生による「腹診と打鍼の歴史」についてのご講演であった。尾崎先生は、国立市にある蒼天堂治療院の院長でもあられる。私自身は腹診や打鍼の歴史などまったく勉強したことがなかったが、それでも長い歴史の中でそれらがどのように発展し、進化してきたのかが容易に理解できた。後になって、尾崎先生から直接お伺いすることができたが、このご講演を準備するために睡眠時間を毎日大幅に削っていたという(平均睡眠時間は2~3時間くらい)。

第二部は、竹下有先生による「腹診と打鍼の重要点」についてのご講演であった。先生は、とくに初心者は時間をかけてでも腹診や打鍼の基礎技術を習得することの重要性を強調されていた。もちろん、これはスポーツでも、勉強でも、芸術でも基本の大切は論をまたない。しかし、竹下先生のご講演を拝聴していて、私はときどき認知科学の講義でも聴いているような錯覚におちいったものだ。たとえば、先生は論理や細かい事柄にこだわりすぎると全体が見えなくなる(結果として、それが誤診につながる)というのである。

また、竹下先生は、患者さんの邪気の位置やタイプを把握することがまず第一で、鍼を打つことは副次元的、おまけのようなものだと仰っていた(つまり、鍼を打つときにはすでに結果が見えている)。この話に、私は先生が認知心理学における「センスメイキング(察知力)」についてお話しているのではないのか、と思ったほどである。

第三部は、北辰会代表であり、藤本蓮風会長先生のご子息である藤本新風先生による実技指導であった。先生が観衆の前で、実際に腹診や打鍼の技術を披露してくださったのだ。参加者の中から、モデルとなる鍼灸師(モデルといっても本物の鍼灸師ですが)、モデルとなる学用患者(といっても、本当に健康上の問題、首が痛いとか吐き気がするなどの問題を抱えている)が実技指導を受けていた。藤本先生が診察をされているとき、竹下先生がご一緒に患者さんの状態の所見を述べられた。先生の見解が、藤本先生とまったく同じであったから、見ていた私はびっくりした。そればかりでなく、藤本先生は手際よく次々とモデル患者さんの健康上の問題を治していったのだ。まさに、私は達人の熟練技術を垣間見たのだ!

講習会が終わった後、私は懇談会に参加することが許可された。幸いにも、会員の方たちは私を歓迎してくださった。会員のうちの何人かは、私の研究について大変に興味深そうに話をきいてくださった。それから、その会場で、私はあの藤本新風先生に個人的にお話をすることができたのだ。先生も私の研究プロジェクトにご関心を示してくださり、やり抜くことを激励してくださった。

実に、今日の講習会は有意義だった。藤本先生や北辰会の皆さんに心よりお礼を申し上げたい。

浅草にある伝統鍼灸かみなりの土田丈院長先生(正しくは、土は「土」の字の右上に、「、」が付く)。今回の実技指導で、モデルの患者さんとして参加された。

北辰会関東支部長の尾崎真哉先生と。先生による「腹診と打鍼の歴史」のご講演は本当にわかりやすかった。

右から、竹下有先生、大崎にある寧心堂の森岡健介院長先生、アイム鍼灸院の横山奨院長先生。先生方は、私を心暖かく歓迎してくださった。皆さん、いい笑顔でしょう?

本来ならば、絶対にありえない特ダネ写真。そうです、あの北辰会代表の藤本新風先生とご一緒させていただきました。達人鍼灸師のご子息もやっぱり達人鍼灸師ですね。「2019年、私たちが鍼灸界と認知科学界に革命をもたらす!」

藤本新風先生、北辰会の先生方、今日は本当にありがとうございました!

bottom of page