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緊急対策「移動中に情報を得よ」


みなさん、こんにちは。先週は、スカイビジネスの奈良順子代表の件で、たいへんご心配をおかけいたしました。おかげさまで、順子代表は一命をとりとめ、現在は痛みもなく回復に向かっております。

しかし、新型コロナウイルス感染予防から面会が不可とされており、また、本人の入院も来週の初めくらいまで続くようです。ほぼ毎日、電話で順子代表とも話していますが、声もだいぶ強くなってきました。

あらためまして、今回、順子代表を担当してくださった医師、看護師、病院職員の方々、救急士の方々に心より感謝申し上げます。どの方々も、医療のプロフェショナルとよばれるだけの技能をもち、人柄も素晴らしい方々ばかりでした。

さらに順子代表がラッキーだったのは、本人が急に倒れたとき、私と一緒だったことでしょう。もし、私が仕事なので丸一日外出していたと思うと、ぞっとします。

もちろん、私も元気だった順子代表が突然倒れたときは、パニックとはいいませんが、ビックリしました。

しかし、ふだん、自分の学問の専門である「現場主義意思決定(NDM)」を研究してきているので、自分のもっとも最適な行動を考えておりました。

そして、自分の仕事柄、救急士をはじめ、医師や看護師、医療スタッフの方々の行動も、順子代表の付き添いの家族という立場だけでなく、NDM学者としての「冷徹な目」でも見ておりました。

私は医療人ではないので、本来ならばこのようなことを言えない立場ですが、あえて指摘させていただきます。あらかじめご容赦ください。

私が119に電話してから10分程度で救急士が3名、ストレッチャーを持って来てくださいました。

そこで3人は、順子代表の生年月日、体温、血圧を測り、病歴、基礎疾患の有無、現在服用している薬品の有無などを本人に聞き、用紙に情報を記入しようとしています。

しかし、順子代表は激痛のあまり冷や汗をかき、ただ「痛いよ、早くして」としかいえません。もちろん、立ち上がることなどできません。

そこで、私は「母は病歴も基礎疾患もないです。現在服用している薬もありません」というと、一人の救命士が「いや、本人の発言が大事なのです」といって私の発言をさえぎりました。かれこれ、さらに10分以上たってようやく移動となりました。

前回もお話しましたように、順子代表は「急性胆石性すい炎」だったわけですが、この病気の死亡率は20パーセントだそうです。しかし、緊急の場合、はやく手術をしなくてはならない、処置をしなくてはならないことが多々あります(順子代表は手術は免れました)。

その場合、細かい情報はあとでいいから、とにかく患者を救急車に乗せて、病院へ向かうべきでしょう。

生年月日は保険証や身分証明書からわかりますし、成人の家族が同伴だったわけですから家族から聞けばいいことです。体温、血圧などの情報も救急車で移動中にできることです。

ただし、暴行、傷害などの場合、刑事介入が必要で、事件現場に残された情報が重要となります。

後日、電話で順子代表とも話ましたが、やはりあのとき、はやく病院へ行かなくてはならないと思ったそうです。

日本の医療制度は、国民皆保険に代表されますように、日本人のだれもが気軽に高度な医療にアクセスできるという点で、世界でも大変にすぐれた制度だといえます。

じっさい、外国によっては救急車が有料の国もありますし、貧困の人たちが病気になったら、もうあきらめてください、という国も多くあります。

しかし、今回の出来事から、緊急対策についてはまだ改善の余地があるのではないかとNDM専門家の目からそう思った次第です。

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