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Burden of PROOF(1)-外国人労働者による訴訟社会の到来


アメリカの留学時代の記事が続いているが、もう少し話をしよう。

大学から下宿先のアパートに戻るとテレビをつけ、私は夕飯を食べながらCNNをよく観ていた。

好きな番組の一つが、『立証責任(Burden of PROOF)』(1995-2001)だった。

この「立証責任(または証明責任)」とは法律用語である。

たとえば、原告Aと被告Bが法廷で争うことになったとする。

まず、AがBにより被害を受けたことを証明しなくてはならない。Aがその証明ができたとき、今度はBがAの主張を覆す義務が生じる。逆にBが無罪を証明できたとき、またAが主張を証明しなくてはならない。いわば、トランプ・ゲームの「ババ抜き」のような状態が続くことになる。

番組のホストであるグレータ・ヴァン・サスターン(Greta Van Susteren:左の女性)とロジャー・コサック(Roger Cossack: 右の男性)は、世間で注目されている大事件を法的に分析・検証する。

もともと二人は凄腕法律家で、サスターンはジョージタウン大学法学部卒で、現役の弁護士でありながら教員も務めたことがある。コサックはカリフォルニア大学LA校法学部卒で、カリフォルニア州の検察としてのキャリアがある。

番組では、サスターンは被告側弁護士の役を、コサックは検察の役を演じている。

大学生だった当時、早口で、迫力満点で激論する二人に圧倒されながら、英語の勉強をかねてよく観ていた。

日本にも、以前、『行列ができる法律相談所』とかいうバラエティ番組があった。

日米の法制度の違い、言葉や文化の違いを度外視しても、内容、専門性、風格という点で、大人と子供以上の開きがあると言わざるを得ない。

といっても、私が在米中のCNNは最高潮の時期で、感動的なドキュメンタリー番組も多くあった。

その後、2000年から現在にかけて、世界のCNNからアメリカのローカル番組に成り下がってしまった感じがする。

久しぶりに、YouTubeで当時の録画をもう一度観て、さまざまなことを考えた。

現在、日本は少子高齢化社会、労働力不足という問題から、外国人労働者に門戸を広げて多く受け入れ始めている。

じっさい、東京や大阪などの主要都市のコンビニ、ファーストフードのレジ、ホテルのメイドなどは外国人労働者だらけである。今後、日本語を話すフィリピン人看護師も数年以内に大量に入国してくるだろう。

まだ彼らは日本人の顔色を見い見いし、肩をすぼめておとなしく働いている。

しかし、最近の韓国政府の動向をみてもわかるように、いずれ彼らは日本の労働環境や待遇に不満をあらわにし、日本人の経営者や同僚を提訴するようになるだろう。

そうなると、日本は外国人労働者による訴訟社会になる可能性は十分にある。

よく中年オヤジやスケベな青年が、日本人の若い女の子にセクハラまがいことを言ったりやったりする。

もし同じような感覚で外国人女性に手を出したら、彼女らはサスターンのような口調で攻撃し、訴訟問題に発展するだろう。その日本人の男性は、財産没収のうえに懲役10年を喰らうことになる。

グローバル人材、グローバル・エリート、グローバル教育?結構、おおいにやってください。

それならば、ここであなたの英語力をテストしてみたい。

以下は、故ダイアナ妃がパパラッチに追われて事故死した事件を分析した番組だ。彼らが何を話しているのか、あなたはわかるか?

(つづく)

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