基礎認知トレーニング(1)「自分の専門分野に必要な能力をあぶり出そう」


みなさん、こんにちは。いよいよ梅雨明けとなり、毎日暑い今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか?

一時は落ち着いたかと思えた新型コロナウイルスの感染者数も、ふたたび増加傾向にあります。

外出のときはマスクを着用しなくてはならず、ちょっと動いただけで息苦しさや蒸せたような感じがします。みなさんも、熱中症やコロナ感染に気をつけてください。

さて、今回から「基礎認知トレーニング」について、シリーズ連載で私なりの考えをお話ししたいと思います。

現在、私は「ベテラン(達人級の)鍼灸師の『直観』」について研究を行っていることは、今までのブログでご紹介してきた通りです。幸いにも、北辰会という鍼灸団体が私の研究にご理解を示してくださり、共同研究を行っております。

国家資格を有する鍼灸師といっても、専門学校を卒業してまもなく臨床歴一年未満の先生から、北辰会創始者の藤本蓮風会長のような臨床歴50年以上の方までさまざまです。

鍼灸師にかぎらず、人は自分の専門とする分野で経験を積むことで、職業上の知識や技術が身につくだけでなく、知識や技術の修得をささえるための「基礎能力」および「基礎認知力」も比例して高まるものです。

たとえば、サッカー選手でたとえるならば、ルールを知り、ドリブルやパス、シュートという基礎技術を身につけなくてはなりません。同時に、前半と後半を合わせて一試合90分以上も走り回れる「持久力」が必要になります。

また、ダッシュして相手チームの選手を追いかけなければならないこともあるので、「瞬発力」も必要でしょう。スローインでボールを遠くに投げるためには「腕力」も必要です。

試合中、ドリブル中にフィジカル・コンタクトを仕掛けてくる相手選手もいれば、反則ギリギリのスライディングタックルを仕掛けてくる人もいます。ということは、下半身だけでなく、上半身のタフネスも必要になってきます。

広い競技上で、自分がどこを走っていて、どこからどこに移動すればチームメイトに貢献できるのかを考える「空間認識能力」も重要でしょう。

また、監督やチームメイトとの「コミュニケーション能力」も必要不可欠な能力ですし、チームメイトが異文化出身者の場合、外国語はもちろんのこと「異文化理解力」も大切でしょう。

もっといえば、シュートを決めて点を取るフォワードと、相手のシュートからゴールを守るゴールキーパーでは、必要となる筋力や認知能力も若干異なってきます。

つまり、ポジションによって役割や作業(タスク)が異なるから、それに応じて求められる資質や能力も異なるということです。

サッカー選手を引き合いにして、その人の専門分野で必要となる能力について説明しましたが、これは他の分野にしても同じです。

職業によって、必要となる能力も異なります。

もう一つ具体例を挙げるのならば、飛行機のパイロットは、視力や聴力をはじめ健康状態が良好で、精神状態も常に安定していて、飲酒や睡眠などの自己管理を徹底してできる。

メカニックなどの理数系の知識があり、英語や外国語でのコミュニケーションに問題がない。また、ハイジャックやエンジントラブルなどの危機管理能力もなければなりません。

とくに新人おパイロットは、厳しい研修プログラムで、そのための基礎能力を養わなければなければなりません。

では、鍼やお灸で病気を治すことができる達人級の鍼灸師になるには、どのような基礎能力および基礎的な認知能力が必要になるのでしょうか?

次回から、さらに詳しく検証してみたいと思います。(つづく)

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